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非常停止のテストをやった訳ですよ。
テスト自体は問題なく終了し、
いざ各ブレーカーを復旧しようと思ったところ、
一つだけトリップ状態のまま、リセットも投入も出来ない。
コレは一大事。大慌てで予備品箱をひっくり返し、
同型ブレーカーを差し替えて、事なきを得ました。
…でも、ブレーカー自体は2000年製でそんなに古くないのですよねぇ。
とはいえ、現状どうにもならないので、客先の了承を取り付けてスクラップ処分に。
ところで、ブレーカーの中身がどうなっているかあんまり考えたことがないなぁ。
そういうわけで、廃棄処分される前に、ちょっと中身を見せてもらうことにしました。
どうですか?結構綺麗な外観ですよね?
寺崎電気製、XHシリーズです。
225Aフレーム、定格電流は175A。
下に置いているのは、大きさ比較用シャーペンです。
現場じゃ「普通の大きさ」という漫然とした意識しか持っていませんでしたが、
改めて見てみると、結構デカイ…
はい、現状トリップ状態です。下に押し下げてもリセットしません。
…なにやら"SEALED"書いてあるシールが…
ふむふむ、コレを破って中を空けると保証が切れるわけですね。
もしかしたら修理もしてもらえなくなるかもしれませんね。
でも、正直このクラスのブレーカーって、
壊れたままにしておくわけにはいけないから
即新品に交換するのですよね。そうすると、
現状の品物は修理する必要はないわけで、実質使い捨て。
特に今回の品物は廃棄処分が決定していますからね。
そういうわけで、遠慮せずにビリビリと破りましたよ。
もちろん写真は破った後のものです。
ちなみに、このブレーカーのリアパネルは、こんな感じ。
非常停止用の補助端子が2本。
さしこみ式です。
いとも簡単、安全にブレーカーの取り替えが可能な方式ですが、
コレがまた、古くなって生産中止とかになると
架台ごと取り替えなければならなくなって便利なような、不便なような。
メリットがあればデメリットもある、ということで。
じゃあ、フロントパネルのねじを外して、中身を見せてもらいましょうかね。
…あんまり面白くなさそうですねぇ。
まあ殆ど機械式であろうということは分かっていましたが…
はいはい、この○で囲んである部分が、トリップに関係する金具のようです。
○の右側は、非常停止時にブレーカーをトリップさせるMCのようですね。
見ると、金具の引っかかりが悪くて、リセットしない模様。
この辺を、小さなマイナスドライバーでこじってやると…
”ぱちん”という音と共に、リセット出来るようになりました。
うーん、こんなに簡単に直って良いものか。
でも、客先には戻さない。
簡単に直ると言うことは簡単にトリップするかも知れない
いつトリップするか分からない代物を渡すわけにはいきません。
予定通り廃棄処分の方向で。
このまま組戻してもアレなので、
消弧室を取り外して、接点でも見てみましょうかね。
うーん、分かりにくい。てな訳で、もう少し寄った写真。
175Aも流れる割には意外としょぼい作りですねぇ。
で、トリップ時には接点間の距離が結構開いていますね。
空気を絶縁体にするにはこのくらいの余裕がないと駄目なのか…
そして、肝心の消弧室。
結構いいかげんな作りに見えますが、
コレで本当にアークが吸収できるのですかね?
まあ、ブレーカー投入時に火花が出るのを見たことがないから
間違いなく仕事はしているみたいですが…
…
意外と単純な作りで拍子抜けでした。
やはり見ていて面白そうなのは電子制御の遮断機、
寺崎ならAT12(現行モデルならAR12でしょうか)が面白そうです。
まあ、体積の殆どが導体で占められているのでしょうが。